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5ステップで成功に導く!セールスプロモーション戦略の手法。
企業が市場で競争力を維持し、収益を拡大するためには、効果的なセールスプロモーション戦略の策定が不可欠です。ここでは、戦略の構築過程を具体的なステップに分けて解説し、成功への道筋を示します。
目次
STEP 1:問題点の洗い出し
効果的なセールスプロモーション戦略の基盤を固めるために必要なのが、問題点の明確な洗い出しです。以下の要点を検討し、課題となっている部分を特定しましょう。
1.優位市場の特定
ブランドが競争優位性を持つ市場を特定し、プロモーション展開の足がかりとします。優位市場の多くは、効果的なプロモーションの土壌となります。
2.需要ピークの分析
商品カテゴリー内での需要ピークを把握し、自社商品の販売状況と比較することで、自社商品の売れ行きが強い時期と弱い時期を把握します。また、競合他社の販売状況と比較することで、自社商品が競合他社と比べて強い時期と弱い時期を把握します。これにより、優位市場と弱み市場を把握できます。
3.販売対応力の確認
「販売の基本的対応力」が整っているかを確認し、プロモーションの効果を最大限に引き出せるかを検証します。
4.市場地位と売上状況の評価
市場における自社の立ち位置や、売上の強み・弱みを把握するために、市場シェアや競合他社との比較、売上構成比などの指標を用いて分析し、その分析結果をもとに、自社が抱える問題や課題を明らかにし、それを解決するためのプロモーション展開の方向性を決定していきます。
例えば、市場シェアが低い場合は、認知度やブランドイメージの向上を目的としたプロモーション展開を検討します。このように、市場地位と売上状況の評価は、セールスプロモーション戦略を立案する上で重要なステップです。
STEP 2:市場の再確認 成功への道を歩む
前回の記事で、セールスプロモーション戦略の立案に向けて市場情報を収集し、問題と機会を抽出する必要性を解説しました。戦略策定においては、ここからさらに「市場の再確認」に焦点を当て、収集した情報を再評価し、戦略の基盤を強化していくことが大切です。
1.優先順位の再検討
収集した市場情報を振り返り、問題と機会の優先順位を再度検討します。これにより、戦略を明確化し、最も影響力のある要素に集中することが可能となります。問題と機会の優先順位付けをする際には、以下のポイントを考慮するようにしましょう。
(1)影響度
問題や機会がブランドや市場に与える影響の大きさを評価しましょう。その上で、売上へ影響や競合との関連性などを考慮し、優先度を設定します。
(2)緊急性
問題や機会が解決または活用されるまでの緊急度を評価しましょう。即時対応が必要なものや長期的な展望を持つものなど、異なる時間軸での優先度を検証します。
2.優位市場の再確認
優位市場を再度確認することで、ブランドの強みをより明確に捉えることができます。優位市場はプロモーション展開の重要なステップポイントであり、ここで成功することがブランドの価値を大いに高める鍵となります。優位市場を確認する際には、以下のポイントを考慮します。
(1)市場の特性
優位市場の特性やトレンドを改めて洗い直し、競合状況や消費者の動向を把握し、市場での競争優位を確認します。
(2)ターゲット層の特定
優位市場の中で最も影響力のあるターゲット層を再評価。彼らのニーズや行動パターンを理解し、プロモーションの効果的な設計に反映します。
3.問題と機会の再評価
問題と機会を再度評価することで、インサイトを発見し、新たな視点を得ることも非常に重要です。これにより、問題解決のアプローチや機会の活用方法を最適化することができます。問題と機会の再評価では、以下のポイントを考慮しましょう。
(1)追加の情報収集
他のソースや調査データを活用して、既存の問題と機会をより詳細に理解し、対策の根拠を強化します。
(2)競合分析
競合の動向や展開状況を再確認し、自社の位置を客観的に評価。競合との
差別化ポイントを明確にすることで、戦略の独自性を強調します。
STEP 3:競合の確認 ブランドの優位性と差別化を見極める
自社や市場について理解を深めるのは大切ですが、それと同じぐらい重要なのが競合への理解です。ここからは「競合の確認」に焦点を当て、競合との比較を通じてブランドの優位性と差別化ポイントを明確にする方法について見ていきましょう。
1.競合の特徴と強みの洗い出し
競合ブランドの特徴と強みを徹底的に洗い出します。これにより、競合がどのような戦略を展開しているのかを理解し、自社が注力すべき差別化ポイントを発見することができます。
(1)製品・サービスの特徴
競合の製品やサービスにおける特徴を明確にしましょう。そうすることで、価格帯や機能性、デザインなど、自社ブランドの強みとの比較が可能になります。
(2)ブランドイメージ
競合ブランドのイメージやブランドのバリューを調査します。消費者からの評価や反応を分析することで、競合との差異を把握することができます。
2.ブランドの優位性の発見
競合分析の主たる目的は、自社ブランドの優位性を明確に把握することです。自社の優位性がどの点にあるのかを特定し、それをプロモーション戦略に活かす方法を考えていきます。
(1)独自性の確認
自社ブランドが持つ独自性や特徴を確認・強調します。競合が提供できない価値や特徴を明確にし、それを強みとしてアピールしましょう。
(2)顧客の声の分析
顧客の声などのフィードバックを収集し、自社ブランドの優れた点を確認します。
自社ブランドに対して顧客がどのような価値を求めているかを理解することが重要です。
3.ブランドの差別化ポイントの強調
競合分析の結果を基に、ブランドの差別化ポイントを明確に打ち出していきましょう。消費者に対して、なぜ自社ブランドを選ぶべきなのかを伝える方法を検討します。
(1)ブランドメッセージの設計
競合との差異を強調するブランドメッセージを設計します。独自性や特徴を分かりやすく伝えることで、消費者の関心を惹きましょう。
(2)プロモーション手法の選定
差別化ポイントを強調するために、適切なプロモーション手法を選定します。競合にない価値を提供するプロモーション展開がブランドの差別化を促進してくれます。
STEP 4:目標達成への現実的なステップ
効果的なセールスプロモーション戦略を策定するには、具体的な目標の設定と、そこに到達するためのステップについても考慮しておかなければなりません。ここからは、目標達成への現実的なステップの描き方について解説します。
1. 目標と課題の整合性
セールスプロモーションの目標は、ブランドの成長や収益の拡大など、具体的な成果を達成することです。目標を達成するためには、まず自社が抱える課題を明確にする必要があります。課題を解決することで、目標達成に必要な要素が見えてきます。
課題を解決しない目標を設定すると、目標達成に必要な要素が不明瞭になり、効果的なプロモーション展開を行うことが難しくなります。したがって、目標と課題は、相互に関連性があり、整合性を保つことが重要です。
(1)プライオリティの高さ
目標をクリアするために、最も重要な課題を特定します。こうして優先順位をつけることで、戦略のフォーカスが鋭くなり、成果の最大化が可能になります。
(2)現実的なアプローチ
目標に対して現実的で実行可能な課題を設定します。過度に難解な課題を設定することは避け、スモールステップで成果を積み上げるアプローチを考案しましょう。
2. 知名度の低い中小企業の課題設定と目標設定
知名度の低い中小企業の場合、目標を急に高く設定することは難しいかもしれません。そのため、状況に合わせた課題設定と目標設定のバランスが重要になってきます。以下のポイントを考慮して課題と目標を設定しましょう。
(1)スモールステップの導入
目標を小さなステップに分割し、逐次達成していく方法を採用します。この方法は、成果を確認しながら進められるという利点もあります。
(2)強みの活用
自社の特性や強みを活かした課題設定を検討します。競合にはない特徴やニッチな市場での展開など、独自性を発揮することが有益です。
3. 課題の具体化とアクションプラン
(1)アクションプラン
アクションプランを作成することで、目標達成までの道筋が明確になり、実行しやすくなり、目標達成の可能性を高めるために必要なことです。
〈アプリケーションの定義〉
・目標を達成するための具体的な行動計画
〈役割〉
・目標達成までの道筋を明確にする
・目標達成に向けての進捗状況を把握しやすくなる
・必要に応じて軌道修正がしやすくなる
〈作成方法〉
・目標を具体的に定める
・目標達成のために必要な課題を洗い出す
・課題ごとに具体的なアクションを立てる
・アクションごとにスケジュールと担当者を決める
〈活用の方法〉
・定期的に進捗状況を確認する
進捗状況に応じてアクションを修正する
目標達成に向けて、必要なリソースを確保する
アクションプランは、目標達成に向けて重要なツールです。定義や目的、作成方法、活用方法を理解することで、目標達成への現実的なステップを踏むことができます。
また、目標を小さな目標に分解して達成していく前出のスモールステップも、モチベーションや挫折防止に効果的な方法です。
(2)スケジュールと予算
アクションプランの実行には、スケジュールと予算の設定が必要不可欠です。スケジュールは、アクションプランの目標達成のために、各タスクをいつまでに完了させるかを定めたものです。スケジュールを明確にすることで、各タスクの進捗状況を把握し、目標達成に向けた適切な対応を行うことができます。
予算は、アクションプランの実行に必要な資金を定めたものです。予算を明確にすることで、資源の有効活用を図り、目標達成をより確実にすることができます。
スケジュールと予算の設定にあたっては、以下の点に注意が必要です。
・目標達成に必要な期間とコストを正確に把握する
・時間的な制約や資源の限界を考慮する
・柔軟性を持たせ、必要に応じて修正できるようにする
・スケジュールと予算を適切に設定することで、アクションプランの実行を効率的に進め、目標達成に近づくことができます。
STEP 5:効果的なターゲット選定とアプローチ
具体的かつ効果的な目標や施策を設定していくためには、適切なターゲット層とアプローチの選定が欠かせません。ここからは「プロモーションのターゲット設定」に焦点を当て、目的と施策の組み合わせの重要性について考えてみましょう。
1.ターゲット層の再確認
プロモーションのターゲット設定の際には、商品やサービスの開発時に設定した従来のターゲット層を再確認することが重要です。その上で、単に従来通りのターゲットに固執するのではなく、そのターゲットが今も有効かどうかを考え、現在の市場状況や消費者の傾向に合わせて、従来のターゲットが適切であるかを見極めます。
2.新規顧客獲得とリピーター狙いのバランス
プロモーションの目的に応じて、新規顧客の獲得、既存顧客のリピーターのバランスを検討します。これにより、戦略的な目的に合わせたターゲット設定が可能です。
(1)新規顧客の獲得
ブランド拡大や市場進出のために新たなターゲット層を取り込むプロモーション戦略を検討します。
(2)リピーターの獲得
既存顧客を継続的な購買につなげるためのプロモーション戦略を考案します。
3. ターゲットとアプローチの組み合わせ
ターゲット設定は、目的とアプローチを踏まえて行う必要があります。但し、ターゲットとアプローチは、相互に影響し合うため、両者をバランスよく考慮することが重要です。具体的には、以下の2つのポイントを押さえることが大切です。
(1)目的を達成するために、目的を達成するために、どのようなターゲットに、どのようなアプローチでアプローチするのが効果的かを検討する。
(2)ターゲットの購買喚起しやすさも考慮し、ターゲットを絞り込む。
(3)購買喚起のしやすいターゲット
アプローチで購買を促すことができるターゲットを設定し、特定の需要に焦点を当てることで、アクションを誘引しましょう。
(4)口コミ拡散の促進
ターゲットがプロモーションを通じて満足する体験を得た場合、口コミで拡散する可能性が高まります。この点を考慮してプロモーションを設計します。
セールスプロモーションシリーズの以下のコラムもご覧ください。