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チーフデザイナー
森本一平

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森本ブログ ヤングカンヌ 作品

The Young Lions Live Award 2021 ファイナリスト作品

こんにちは。たき工房のチーフデザイナー・森本一平です。私はこれまで、ライフワークの一環として仕事と並行しながら、さまざまな海外広告賞への挑戦を行ってきました。そんな中で先日、世界三大広告祭の一つである CANNES LIONS 主催のオンラインコンペティション「The Young Lions Live Award 2021(通称:ヤングカンヌ)」にて、ファイナリストに選出されました。今回は、なぜ私が仕事とは別軸で積極的にコンペに参加しているのか、そして、コンペに参加することでどのようなスキルが磨かれ、仕事に活かすことができているのかについて、紹介させていただければと思います。

森本一平
2016年入社。たき工房 CU2 でチーフデザイナーを務める。日々の業務の傍ら、海外広告賞への挑戦をライフワークとしており、2021年にはヤングカンヌ本戦のファイナリストにも選出される。論理的な思考でデザインを組み立てることを得意としており、幅広いアイデアを持つのが強み。

ヤングカンヌ挑戦のきっかけと、その軌跡

私がコンペ挑戦を始めようと思ったきっかけは、日本有数のデザイン会社であるたき工房へと入社し、日々の業務を通してスキルを磨かせてもらっている中で、培った技術をもっと別の形で昇華させていきたいと思ったから。

ただ、元々デザインの世界に進んだのが一般的には遅い方で、そうしたコンプレックスからか、イラストレーションやグラフィックで「⾃⼰表現」したいものがなく……。だったら、与えられるテーマや課題に沿って作品を作るコンペなら、全力でチャレンジできるのではないかと考えたんです。

コンペ挑戦がライフワークの一環となったのは、2017年、はじめて挑戦したヤングカンヌ。入社一年目ながら、国内予選でGOLDをいただき、意気揚々と本戦に出場したものの、結果は大敗。自らの至らなさを痛感する一方で、この悔しさをバネに、またいつか結果を残したいという想いが湧きました。
そうして、さまざまなコンペへの挑戦を繰り返す中で、2021年、一度は大敗を喫したヤングカンヌ本戦において、ファイナリストに選出されることができました。

ヤングカンヌの詳細や受賞作品については、こちらの記事で紹介しています。https://www.taki.co.jp/news/young-lions-live-award-2021_morimoto/

コンペ挑戦で磨かれる、問題解決力

コンペ挑戦への思わぬ副産物だったのが、挑戦の過程を通して、自身の問題解決力を大きく高めることができたという点です。

例えばヤングカンヌの国内予選では、「外国人観光客に日本のマナーの大切さを伝えるVI開発」という課題が出されました。当たり前ですが、ここで「マナーを守りましょう」というメッセージを打ち出しても意味がありません。外国人観光客のマナーは実際のところどのような状況なのか、なぜマナーを守ってもらえないのか、そもそもマナーとは何なのか……。さらには、VIに落とし込んだとして、どうやって見てもらうのか、どうやって理解してもらうのか、どうやって実行してもらうのか……といったところまで、論理的に突き詰めていかなければならないのです。単なるデザイン力だけでなく、課題を取り巻く背景や周辺に散らばる知識についても、貪欲に吸収していく姿勢が求められ、デザイン力とは異なる方向性のスキルが試されるシーンも少なくありません。

森本ブログ ヤングカンヌ_国内予選

国内予選デザイン部門GOLD受賞作品

また大会や開催年度によってさまざまですが、こうした作成作業を基本的には数日間で行わなければなりません。そのスピード感は、ともすれば仕事に求められるものよりもかなり高く、自分を成長させる大きな要因の一つになっていると感じますね。

デザインの本質は、問題解決にある

これはあくまでも私の持論になってしまうのですが、デザインの本質は、問題解決にこそあると思っています。

例えば商品パッケージなら、いかに人の目を引いて興味をもってもらえるか、手に取ってもらえるか。例えば電車広告であれば、いかにその内容を読んでもらえるか、実際のアクションに移してもらえるか。商品や媒体によってさまざまな課題や目標があり、ターゲットとするユーザーや目に映るシーンも異なるものです。そうした一つ一つの課題をクリアにしていき、目標達成に近づけていくことが、デザインに与えられた使命と言えるのではないでしょうか。

森本ブログ JAハイナン パッケージ

静岡 牧之原茶 「望」「深」パッケージ

私が携わった仕事の中で、茶葉のパッケージをデザインするという案件がありました。そして、その案件で目標と定められていたのが、商品サイトのPV数を増やすということ。そこで考えたのが、「パッケージ全体にQRコードを載せる」「パッケージ全体にサイトURLを載せる」「あえて商品名の一部を隠し、検索したくさせる」という3つのアイデア・デザインです。最終的には3つめの「商品名を隠す」デザインが採用され、サイトPVも大幅に向上させることができました。

普通に考えれば、商品パッケージにおいて商品名を隠すなんていうことは、あり得ないことと思われるかもしれません。しかし今回のように、目的がPV数向上であるならば、それは必ずしもタブーではないのです。

課題や目標を真正面から捉え、それを解決するためのデザインを、広い視野やアイデアの中から模索していくこと。これもある意味、複雑でそう簡単には解決できないような課題が与えられるコンペの経験を積んだからこそのスキルと言えるかもしれませんね。

たき工房だからこそできる、本質的なデザイン

手前みそではありますが、たき工房はデザイン会社として国内屈指の規模を誇り、広告制作の経験値においてもトップクラスと言っても過言ではありません。また私のようなデザイナーはもちろん、プランナーやコピーライター、動画制作スタッフなど、広告の制作過程すべてに携わることができるメンバーが揃っているため、企画から実際のアウトプットまで、ワンストップで対応させていただくことが可能です。もちろん、「こんな感じで……」といったざっくりとした依頼であっても、ヒアリングによる課題の抽出から、それを解決するためのデザイン提案まで、トータルにサポートします。広告制作でお困りのことがあったら、ぜひたき工房にお声がけいただけると幸いです。

 

※2023年3月1日より、社名を「株式会社たき工房」から「株式会社たきコーポレーション」に変更いたしました。
本ブログには、弊社の旧社名で掲載された記事が含まれております。これらの記事は、当時の情報や見解を正確に反映するため、内容を変更せずに掲載しております。ご理解とご了承を賜りますようお願い申し上げます。

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静岡牧之原茶 『望』『深』 日本茶パッケージデザインの制作