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【鼎談企画】デザイナー、フォトグラファー、レタッチャーが話す。仕事の現場とたきコーポレーション。
たき工房(旧社名)
デザイナー
河野楓
日本コマーシャルフォト(旧社名)
フォトグラファー
松浦歩
日本コマーシャルフォト(旧社名)
レタッチャー
丸山慶
たき工房は、2021年3月にグループ7社を統合。株式会社たきコーポレーションとして、総勢450名のクリエイティブカンパニーとなりました。
今回のブログでは、以前からグループ会社としてともにプロジェクトを推進してきた日本コマーシャルフォト(以下NCP)のフォトグラファー、レタッチャーとたき工房のデザイナーとの鼎談でお送りします。
河野楓
たき工房2018年入社。グラフィックデザイナー。愛知県立芸術大学デザイン科卒業。広告をはじめ、キャラクターグッズやパッケージデザインなどを手掛ける。個人制作では樹脂粘土を作ったフィギュアの制作をするなど、日々挑戦中。
松浦歩
日本コマーシャルフォト2006年入社。フォトグラファー。多摩美術大学映像演劇学科卒業。B to B広告賞金賞・日経産業新聞広告賞大賞など受賞。明るい写真を得意としており、柔らかさの中にも芯のある写真を心掛けている。広告・Web・カタログ等で活動しており、臨機応変にさまざまなものを撮影している。
丸山慶
日本コマーシャルフォト2013年入社。レタッチャー。以前はスタジオマン、カメラマンアシスタント、カメラマンと撮影の分野での仕事に従事。当初は商品撮影が多かったこともあり、化粧品などの商品のレタッチを数多く手掛ける。また最近では、モデル(人物)案件も多く担当している。
日本コマーシャルフォト(NCP)
たき工房と同じく中央区築地を拠点とし、広告を中心に、スチール・動画撮影からレタッチまでをワンストップで行う制作プロダクション。個性豊かなフォトグラファー、レタッチャー、プロデューサーを擁し、2面のスタジオとレタッチルームを完備したオフィスで、幅広い分野におけるクオリティの高い写真・映像を追求している。
たき工房と日本コマーシャルフォト(NCP)
河野:こうして改めて「たきコーポレーション」の仲間として同じ場所に集まると、何だか不思議な感じですね。
松浦:そうですね。グループインする前から一緒にお仕事させていただく機会は多くあった分、こうして改まると変な緊張感があります(笑)
丸山:でもある意味、やっと一つになれたか、という感じもあります。もともとNCPは撮影とレタッチを専門としていましたから、デザイナーの存在が必要不可欠。その点、たき工房はデザイン力に強みを持っていたわけですから、互いの強みをうまくミックスできる最高の組み合わせと言えるのではないでしょうか。
デザインと撮影、レタッチの相関関係
河野:デザイナーの私としては、フォトグラファーである松浦さんや、レタッチャーである丸山さんには助けていただいたと感じるシーンも多いのですが、私もお二人の力になれているんでしょうか?
松浦:とんでもないです。いくら写真単体の出来栄えが良かったとしても、それだけで広告とはなりません。広告を一つの作品として仕上げるのはデザイナーさんの力に他なりませんし、デザイナーさんが描いている理想の姿を共有してくれるからこそ、私もより良い写真が撮影できるようになるんですよ。
丸山:レタッチャーとしても同じ意見です。レタッチは、撮影した画像に対して、色調を整えたり不要なものを取り除いたりといった「ひと手間」を加えて、より良い画像にしていくのが目的。その調整に際しては、広告物として出していきたい世界観や方向性などが定まっていなければなりません。もちろん、個人としておすすめの調整を施すことは可能ですが、クライアントやエンドユーザーに感動を届けるためには、デザイナーである河野さんの力が欠かせませんね。
河野:そう言っていただけるとありがたいです。でも確かに、私たちが一緒に仕事をするときは、事前の打ち合わせを含めて、よく相談の場を設けさせてもらっていますね。そうして、デザイナーとフォトグラファー、レタッチャーの3名全員が、同じ方向を向いて進むこと。これが、広告制作で重要と言えるのかもしれません。
たきコーポレーションだからこそ実現できること
松浦:そういう意味では、やはりたきコーポレーションとして一つになれたことは大きな価値がありましたね。
丸山:確かに、仕事の連携もしやすくなりました。特にSlackを使ったやりとりは非常にスムーズでわかりやすく、抜け漏れや意見の相違が発生しにくくなって良いです。ただ、チャットツール特有のフランクな雰囲気はまだ慣れなくて、「〇〇様」とか「お世話になっております」って使ってしまうんですけど(笑)
河野:もともと強力に連携してはいましたから、良い意味で大きな変化はないものの、些細な部分の壁を取り壊せたのは大きいですよね。特に先日一緒に進めさせていただいたアシックス様の案件では、かなり強力にサポートしていただけて、助かりました。
松浦:確かにあれはなかなか大変でしたよね。動画制作の別働隊と同時に作業を進めなければならなかったので、かなりスピードが求められる撮影現場で……。事前に河野さんと打ち合わせして、広告の方向性や撮りたいシーンがある程度具体的にイメージできていたからこそ、何とかなった感じです。あとは当日の天気があいにくの雨で……。そこは丸山さんにご苦労をおかけしました。
丸山:雨空を、晴れた空に変えるレタッチが必要でしたね。ただ、松浦さんもレタッチを前提として、トーンとかを調整してくれているじゃないですか。そういった配慮があるとないとでは、出来上がりが大きく変わるので、感謝しています。
時代の変化、仕事の変化
河野:デジカメが主流になってきたり、レタッチという技術が確立されてきたりする中で、お二人の仕事に変化を感じる部分はあったりしますか?
松浦:アシックス様の案件でもそうでしたが、フィルムに比べて格段に撮影のスピードが上がりましたし、それを求められるようになりましたね。撮影したその場でOKかどうかの判断をするケースも増えましたし、撮影の前提条件そのものが変わっているように感じます。
丸山:フィルム時代にもレタッチャーはいましたが、レタッチの存在感が増したことにより、レタッチャーも込みで撮影が進むようになったのは、私にとっては魅力的な変化と言えますね。全体のトーンなど、デザイナーやフォトグラファーとは違うゴールを作ることができるようになり、最終的により面白い作品に仕上げることができるようになっていると思います。
河野:そういう意味では、デザイナーとしてお客さまに提案できるデザインの幅も広がりましたね。例えばデジタルで撮影はするけれど、トーンをフィルムっぽくしてみる、とか。新しい技術が生まれることで、逆に古い技術の価値が上がって、その提案が刺さることも多いですね。
ワンストップで提供できる価値
松浦:これからもたきコーポレーションとして、クライアントやエンドユーザーにたくさんの価値を届けていけたらうれしいですね。
丸山:そうですね。例えばNCPは本社の地下に撮影スタジオがあるので、それを含めた提案だったり、広告制作を組んでみたりするのも面白いかもしれない。
河野:松浦さんや丸山さんと強力に連携することで、グラフィックに関する案件への対応力は間違いなく高まりますね。そして、社内にアシックス案件でも一緒にお仕事をした動画制作に関する専門チームもいますから、ありとあらゆる広告制作を一手に引き受けられる土壌はしっかりと整っています。私もその一員として、社内外にもっと存在感を出していきたいです。
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