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AIの活用ポイントとは?「面倒臭い」を明確にしよう
テクニカルディレクター
高城真生
こんにちは。ZERO テックラボ所属のテクニカルディレクター、高城真生です。
前回AIとクリエイターとの共存についての記事を書きましたが、今回はAIの活用ポイ ントについて考えてみたいと思います。
高城真生(ZERO 所属)
さまざまな形態の Web サイト制作を経験した Web デザイナーとしての出自と、プログラミ ングスキルを活かし、テクニカルディレクターとして技術的な課題にアプローチしつつ、ク リエイティブなデザインとの調和を実現します。またプロジェクト全体の技術的な方向性を 指示しチームをリードする一方で、モックの作成やプレゼンテーションを行い、アイデアを実現に導きます。
AIの本質とは
最近生成AI界隈では、著作権がどうだとか、知的財産がどうだとかいう話をよく聞きます。実際クリエイターにとっては死活問題で、私自身も気になるところです。
ただ、そもそもAIの得意なことって何なんでしょうか。
AIが何をやってくれると助かるんでしょうか?業務効率化?クリエイティブ業務?そんなことを考えているときに下記の記事を見つけました。
COBOL のピュア Java 変換に生成 AI を活用、日本 IBM が watsonx で実現
これこそがAIの正攻法であり本質ではないでしょうか。
ではその本質って何でしょうか。それは「人間が面倒くさいと思うことを面倒くさがらずにやってくれる」ことだと思っています。
この記事に関して言うと、COBOLは古い言語で、銀行のような大規模基幹システムを支える言語です。
そのCOBOLエンジニアの高齢化や引退によるエンジニア不足でシステムを維持できず、たまにリプレイス※を試みるもうまくいかないという問題があります。
※リプレイス・・・IT 分野において、既存のシステムやソフトウェア、ハードウェアなどを 新規のものに交換することを指す
そこでAIを活用することで色々な「面倒くさい」を解決してくれるんだと思います。
AIを実際に使って「面倒くさい」ことを実現する
規模は全然違いますが、私自身もAIを使って「面倒くさい」ことを手間なく実現しています。例えば中学生の息子の定期テスト対策で、「英語勉強用問題アプリ」を作ろうと思っていたのですが、データベースを作るのが非常に面倒くさいと感じていて、なかなか手を出していませんでした。
そこでChatGPTを使って以下の要領でデータベースを作成しました。
1.日本語と英語の対応表の画像を用意する
2.ChatGPTに画像をアップロードする
3.以下のプロンプトでデータベースを作成する
“
これは中学一年生で習う英単語です。
下記のjsonフォーマットに整形してください。
また、「”similar”:類似の英単語」の部分には、4択で問題を出すときに該当の英単語と間違 いやすい単語を3つ以上配列で入れてください。
{ “words”:[
{
“ja”:日本語,
“en”:英語, “similar”:類似の英単語 },
]
}
“
これだけで以下の「面倒くさい」を数秒でやってくれました。私がやると数時間かかる作業です。
1.画像からテキストを抽出する
2.類似の英単語を考える(調べる)
3.データに整形する
「面倒くさい」を明示することの大切さ
AI は何でもやれるけど、やってほしいことを指示しないと期待通り動いてくれません。ここは本当に重要で、「面倒くさい」ことは何なのかを具体的に表現しプロンプトに落とし込むことが大切です。英単語のデータベースも、先にどういうデータ形式にしたいかを考えてからプロンプトを作成しました。
今後は「面倒くさい」実作業はAIに任せるための「面倒くさいことの的確な指示」をする 能力が重要になってくると思います。