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IDEALカンパニー代表、プロデューサー
内山堅

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こんにちは、UXデザイン制作部門カンパニーIDEALの内山です。先日、私たちが企画した「人生の大切なことをゲームから学ぶ展」が無事閉幕いたしました。今回は、貴重な体験である本イベントを通じて得られた学びや今後の展望について、お話しします。

内山堅(IDEAL所属)
UXデザイン制作部門カンパニーIDEAL代表。
出版社勤務を経て、2005年より在籍。プロデューサーとして、ことづくりに主眼を置き、カンパニーの価値醸成を図っている。

無事に会期終了を迎えることができた企画展

GOOD DESIGN Marunouchiで開催された「人生の大切なことをゲームから学ぶ展」は、私たちの身近にあるゲーム内に込められた数々のデザインを、UXの観点から紐解いていく、チャレンジングな企画展。私たちIDEALは、UXデザインカンパニーとして、UXの認知向上やさらなる推進を目指し、この展示を企画しました。応募数27の企画の中から私たちの企画が選ばれたことに関しては、正直喜びよりも驚きの方が大きかったですね。

開催が決まってからは、かなり急ピッチで作業を進めたのを今でもよく覚えています。制作と開発の期間はおよそ2ヶ月程度。通常業務では考えられないようなスピード感ではありましたが、スタッフ陣も各々の専門領域のメンバーが参画してくれ、逆に短いからこそ集中できる環境も相まって、無事に開催まで漕ぎ着けることができました。

また開催中も、大きなトラブルやクレームなどはなく、スムーズに会期を終えることができたのは良かったですね。

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最終日は行列ができるほど盛り上がりを見せた本企画展

イベント運営の難しさと得られた学び

今回の企画展を経て得られた学びは数多くあります。特に私たちの場合、あくまでもデザイン会社がベースとなっていますので、イベント運営の楽しさや難しさに関しては新鮮な驚きも多くありました。

例えばPRに関して言えば、普段は自社発信をするような機会はあまり多くないのですが、今回は各種SNSでの発信やライブ配信など、色々な施策を実施しました。想定以上の効果が出たものがあったり、そもそもどういったスタイルで発信するのが理想的なのか計りかねるものがあったり。実際に経験したからこその学びというか、手応えのようなものは、確かにあったと思います。

他にも、天気がほんの少し崩れただけで来場者数に大きな影響が出たのも意外でしたね。今回の企画展は無料イベントだったので、より影響も強くなったのだとは思いますが、今後何かしらイベントを企画するに際しても、天気のことはしっかり注視していかなければならないんだと実感しました。

新たな取り組みで見えてくる、メンバーの新たな一面

また企画展に参加したスタッフ一人ひとりの成長も、大きな手応えの一つと言えますね。今回は私たち自身が主催者なわけですから、誰かからの指示を受け、その通りに動くような形ではいけません。自分たちで考え、自分たちで調整し、自分たちでゴールを作っていくような、能動的な動きが必要になってきます。

経験豊富なメンバーを多めにアサインしていたので、その辺りはあまり心配していなかったのですが、比較的若手のメンバーであっても自分から積極的に動いてくれたのは、嬉しい発見でした。

デザインの仕事というのは、受動的な動きになることも多いものです。しかし場合によっては、デザイナー自身が先頭に立ち、判断をしていかなければならないシーンも出てきます。特に今回の企画展の場合は、何をやるのか、どこまでやるのか、すべてを自分たちで決めていかなければなりませんし、決めたことに対して周囲が遅れず付いて来てくれるように、しっかりとネゴシエートもしておかないといけません。そういう意味では、デザイン力よりもコミュニケーション能力が求められたのが今回の企画展だったと思います。

この経験から、与えられたタスクをしっかりとこなすだけでなく、自らタスクを作りそれを達成に導いていくための力を養うことの重要性を、一人ひとりのデザイナーが理解してくれたのではないでしょうか。

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プロジェクト外の社員にも声をかけ手伝ってもらうこともあった企画展準備

UXをもっとあたり前の存在へ

企画展の準備や開催に際しては、IDEALを中心にしつつも、他カンパニーのメンバーや入社したての新人など、多くの社内交流が生まれました。その中で、今まで一緒に仕事をしたことがなかった人の性格やスキルセットを知れたのは、とても大きな収穫です。

組織が大きくなると、どうしても一人ひとりの能力や適性に目が届きにくくなってしまうのですが、自身の得意分野に携われるかどうかで、制作物のクオリティーや個人のモチベーションは大きく変わってくるはずです。
それぞれの個性や特性にあったプロジェクトをアサインしていくことで、クライアントにお届けできるクオリティーを高めつつ、デザイナー自身もモチベーション高く仕事ができる。そんな環境を今後作っていきたいと思います。

また「人生の大切なことをゲームから学ぶ展」はこれから、名古屋などで巡回展開催を予定しています。イベントの中身は大きく変える予定はありませんが、東京で開催した時とは来場者の属性なども変わってくると思いますから、その違いに着目しつつ、さらなる学びが得られるようにしていきたいですね。

UXという言葉や概念は、少しずつ一般の人々にも広まってきているとは思いますが、それでもまだまだ一握りであり、ビジネスとして取り組んでいくには課題も少なくありません。だからこそ私たちが主体となって、今後もUXの伝播に努めていけたら嬉しいです。