TAKIブログTAKI Blog
デザイナーが映像をつくる、ということ。
ディレクター
佐藤佳亮
「リッチコンテンツ」の時代を経験して
こんにちは、ディレクターの佐藤佳亮です。
たき工房のムービーラボで、モーショングラフィックスやインフォグラフィックス、アニメーションなどの映像制作をしています。もともとはwebデザイナーで、2007年に入社した時はまさにweb発展期。webという言葉が世界中を席巻し、リッチなコンテンツが毎日のように世の中に生み出され、ものすごく早い潮流の中で消費されてく時期に、数々のサイト制作に関わっていました。
当時最先端だったのが、CGやインタラクティブアニメーションなどのリッチなデジタルコンテンツで、僕も夢中で取り組みました。その後「モバイル」デバイスに主流が移ると、webもリッチな表現より、昨今みられるような、画角がフレキシブルに対応でき、ロードが軽くて要素がプログラムで書けるシンプルな表現に変遷していき、クリエーターとしては何となく物足りない感じになったものです。
でも今後、CPU・GPUの軽量化・汎用化が進み、5Gのネットワークが普及することにより、リッチコンテンツがまた増えるのではないかと僕は思っています。もしかするとモバイル端末でも、webサイトや映像にインタラクションがついたり、8Kより高い画質が再生できたり、触れるAR/VRなどが見られる時代が来るかもしれません。その時のためにも僕はいま改めて「デザイナーとして映像を制作する」ということにこだわりたいと思っています。
デザイナーがつくる映像
近年、グラフィックデザインを軸にしてきた弊社にも、テクノロジーと映像表現を活かしたクリエイティブが、クライアントから求められるようになってきました。そんな中で昨年立ち上がったのがムービーラボ、そしてインタラクティブコンテンツを開発するテックラボから成る開発チームです。2020年東京オリンピック以降は、デジタルサイネージやインタラクティブコンテンツがさらに加速していくでしょう。
例えば近い未来、電車の中のサイネージにも様々なセンサーがつき、顔認証などで個人を特定し、その人に合った映像が映し出される時代が来ると思います。そんな未来のために、ムービーとテックのラボチームでは、次世代型のインタラクティブな映像コミュニケーションを共同で研究開発しています。そんな中で僕のようなデザイナーが映像をつくる意味やメリットはどこにあるのでしょうか?
まず映像をグラフィックの連続としてとらえられることが挙げられます。
どのシーンやカットも意図したデザイン性の高いクオリティを実現することができるのです。また、メッセージをわかりやすくまとめ、印象に残るように見せることも得意分野です。送り手、受け手の感情など目に見えない思いを、デザインというフィルターを通してカタチにする。そこに必要なのが、どこか他と違う点を見出す「創意工夫」だと考えています。
ものづくりでワクワクする未来を
学生時代、プロダクトデザイナー・柳宗理さんの特別授業を聴くチャンスがありました。当時の私は、デザインを学ぶ学生であったにもかかわらず、柳さんのことを知らずに「このおじいさん、誕生日がいっしょだ!」ぐらいの印象で聴講していました。柳さんはご自身の作品を通して、「創意工夫」という言葉を丁寧に教えてくださいました。
そうい-くふう【創意工夫】
今までだれも思いつかなかったことを考え出し、それを行うためのよい方策をあれこれ考えること。▽「創意」は新しい思いつき、今まで考え出されなかった考え。「工夫」は物事を実行するために、よい方策をあれこれひねり出すこと。
(引用元:エヌ・ティ・ティレゾナント株式会社 『goo辞書』四字熟語「創意工夫」の使い方 goo辞書 創意工夫の解説から)
アプリ開発やAR/VR、デジタルインスタレーションなど、広告の枠にとどまらない様々なアウトプットに携わる中で、常に柳さんの創意工夫を目指してきました。そして、「時代が変化・進歩しても、手を動かし、あれこれ考えて何かをつくるデザイナーは社会の役に立てる。明日は、どんな新しいものが見られるのか」そんなことを考えながら、未来をワクワクドキドキさせるものがつくれたらいいな、と思っています。
※2023年3月1日より、社名を「株式会社たき工房」から「株式会社たきコーポレーション」に変更いたしました。
本ブログには、弊社の旧社名で掲載された記事が含まれております。これらの記事は、当時の情報や見解を正確に反映するため、内容を変更せずに掲載しております。ご理解とご了承を賜りますようお願い申し上げます。