TAKIブログ
テーマ:社会貢献プロジェクト
更新日:2025.03.28
支援を行う意義と価値~若手デザイナーが見た、ネパールの実情~
デザイナー
眞弓 藍子


ラムチェ村の棚田
はじめまして。ZERO所属のデザイナー、眞弓藍子です。先日、たきコーポレーションの社会貢献活動「TAKI SMILE DESIGN LABO」によるネパール支援、クレヨンプロジェクトに参加してきました。今回は、その活動のレポートと、そこから得た学びについてお話しさせていただきます。
眞弓 藍子(ZERO所属)
2023年に新卒入社。デザイナー。京都芸術大学卒業。現在はWEBデザインを中心に、グラフィック、ロゴ、キャラクター、アプリなど幅広い領域での仕事に携わる。趣味はかわいい絆創膏収集。
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理想と現実のギャップを埋めるために企画へ参加
今回のプロジェクトに参加したきっかけは、デザインが持つ大きな力を改めて感じてみたいと思ったことです。学生時代は主に、「社会課題をデザインの力で解決する」という軸で学びを得ていました。しかし、いざ社会人になってデザインを仕事にすると、どうしても目の前の作業に集中してしまうことが多くなり、視野が狭まってしまっていました。このままでいいのか、自分が学んできたデザインは無力なのか。そうしたモヤモヤとした気持ちを払拭し、デザインの持つ無限の可能性を感じたい。そんな思いから、ネパールへの旅を決意したんです。
ネパールは日本ほど各種インフラが整っておらず、また目的地となるラムチェ村も郊外にあるため、慣れない土地や環境への不安も多少はありました。しかしいざ行ってみると、意外と環境に慣れるのは早いもので、トイレやお風呂など、本来では不便に感じるような部分も不便に感じなくなってくるから不思議ですね。

ネパールの風景

ラムチェ村での食事
子どもたちの柔軟な発想に驚かされたワークショップ
今回のネパール支援は、全行程9日間で行いました。メインとなるラムチェ村でのワークショップを中心に、その前後の日程では、村への道中にある都市の学校や施設を訪問。現地がどのような状況に置かれているのか、そこで暮らす人々がどのような生活をしているのかを学ばせてもらいました。
ラムチェ村でのワークショップでは、私は「ペーパーファッションショー」を企画。紙で自由に服を作り、それを発表するという内容です。元々大学時代に実施したことがある企画で、それをベースに改良していきました。どのような服を作るのか、そしてそれをどのように作るのか。自ら考え、実行に移していく作業は、まさしくデザインの基本とも言えます。その難しさや楽しさを、子どもたちに感じて欲しいと思ったんです。
事前に聞いていた話では、ラムチェ村の子どもたちは日本の子どもたちのような図工教育を受けていないとのことで、ワークショップが盛り上がらなかったらどうしようと思っていたのですが、実際に始めると大盛り上がり。私たちが想像もできないようなアイデアで、服を作っていく子が多くいました。ロールペーパーの芯を使ってステッキを作ったり、本物の服飾デザイナーと同じような工程でハットを作ったり、感心させられることも多かったです。
また、作った服を披露するファッションショーの時に、みんな恥ずかしがることなくポーズを決めていたのには驚きました。ネパールにはダンス文化があるようで、子どもから大人まで日常的にダンスを踊っています。そうした環境があるからこそ、注目を集めることへの忌避感がなく、ファッションショーも前向きに行えたのかもしれません。

「ペーパーファッションショー」の様子
垣間見えた厳しい現実と、だからこそ感じた支援の意義
ラムチェ村でのワークショップ以外には、カトマンズ大学や日本語学校、児童養護施設や障がい者施設を訪問しました。
特に日本語学校では、「日本文化祭」のようなものをやろうという話になり、私は浴衣の着付けを担当しました。元々日本への興味が強い子どもたちだったので、反応は上々。8着ほど用意していた浴衣を、生徒たちが代わるがわる着用して、思い思いに楽しんでいましたね。大学時代の授業で日本舞踊を経験していたことで、今回の着付けを担当させてもらえたのですが、デザイン以外のこともやることで、自身の引き出しが増えるんだということ改めて実感しました。
障がい者施設への訪問については、聴覚障がいを持った方や、大人で障がいを持たれている方など、さまざまな属性の方の施設を巡ったのですが、中でも大人の障がい者施設が印象的でした。現地で話を聞くと、大人の障がい者施設は子どもの障がい者施設に比べると寄付が集まりにくく、行政からの援助もされにくいそう。厳しい現実を突き付けられることのショックは大きかったですが、その一方で、ほんのちょっとした支援であっても施設の人たちにとってはとてもありがたいものであり、なくてはならないものだということを知りました。日本にいると、自分一人が寄付をしたところであまり力になれないだろう……と思ってしまうことも多かったのですが、決してそんなことはない。どんな些細なことでも、支援することによって助かる人々がいるんだということを学びました。

大人の障がい者施設
些細なことでいい。ネパールに関わる人を増やしたい
今回の旅を経て、自分にとっては良いことしかなかったと感じています。ワークショップについてはまだまだ改善の余地はありますが、街でも村でも違う文化や考え方に触れられて、自分自身の視野が広がったように思います。またネパールの支援についても、実際に現地の人々が直面している課題をよりクリアに見ることで、不甲斐なさや力不足を感じつつも、支援に携わることはちゃんと意義がある、ということを実感できて、モチベーションは高まりましたね。
ネパールでの支援に関しては、スーパーボランティアとして知られる「ちょんまげ隊長ツンさん」や、本企画の主催である弊社たきコーポレーション・東福のように、長期的に活動している人もいますが、その数は決して多くはありません。そうした人たちを増やしていくことも大事ですが、一方でもっと気軽な、ちょっとでも支援してみようかなと思っている人を、引き込めるような仕組みを考えていきたいと思いました。一人の全力は非常に尊いものですが、限界はあります。しかし一人ひとりは1%の力しか出していなくても、それが100人200人と集まっていけば、一人では到底及ばないような大きな力になるはず。どんな些細な形であれ、ネパールに関わる人たちの数を増やしていけたらうれしいですね。
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