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どうすればプロジェクトをうまく進められるの?デザイン会社との上手な付き合い方。
インタラクティブデザイン部 部長
天明久尚
こんにちは。たきコーポレーション たき工房の天明です。セミナー等でお会いした方からよくいただく質問に「デザイン制作やウェブ制作会社との付き合いの中で、どのようにすればスムーズにプロジェクトが進むのか、そのコツを教えて欲しい」というものがあります。どうやら「デザイン会社と協業したけれど、うまくいかなかった」という経験を持つ会社さんが意外と多いようなんですね。広告やウェブサイト、キャンペーンなどの集客物やブランディングは、それなりの資金が必要な「投資」になりますから、クライアントの企業さんとしては「絶対に失敗したくない」と思うのが当然です。そこで、今回は「失敗しないために、発注会社側でできること」をテーマに、考えていきたいと思います。
天明久尚
1996年入社。コピーライター/プランナーとして、デジタルを中心とした様々なキャンペーン、コミュニケーション企画、各種ウェブサイト制作に携わる。現在インタラクティブデザイン部部長。人を中心としたマネジメントに興味関心が強く、スタッフとの面談が日課。
「決める」ができれば、うまくいく。
さて。デザインやウェブサイトの外注作業は、どのようにすればスムーズにいくのか、ですが。結論から言えば「発注会社が、決める」。これさえできれば、うまくいきます。決めるものはたくさんありますね。予算やスケジュール、アイデアの方向性、台割りや構成、デザイン案、コピー表現などなど、プロジェクトの上流から下流まで様々な決定事項があります。これらをしかるべきタイミングで決めていくことによって、プロジェクトは進んでいくわけです。ですから「作業が思うように進まない」と感じる時は、何らかの要因があって「決められない」という状況になっている、と言えるのではないでしょうか。
では、なぜそのようなことが起こるか。
「意識のズレ」が「発注会社の決定」を遠ざける。
私自身も、長年、制作の現場にいますが、発注会社が決められないというタイミングは時折あります。こういった時、多くのケースでは、発注会社とデザイン会社の間に「課題に対する意識のズレ」があることが多いように感じます。
分かりやすい例をあげましょう。例えば、上の画像のようなケース。発注者は「良い提案が欲しい(が、その提案がもらえないから決められない)」のですが、制作者は「その良い提案というものが、どのようなものか分からない」という状態なわけです。時として発注者自身が「自分が言う良い提案というものが、どのようなものか想像がついていない」ことさえあります。この状態は、双方にとって苦しいです。この状況が続けば続くほど、制作者は正解にたどり着きにくくなっていきます。
加えて、この状況に陥るかどうかは、制作者側のスキルに依存すると思われがち。発注企業の視点に立てば「信頼して予算を預けているのだから、プロジェクトが進まなくなるのはデザイン会社の責任」と言いたくなるのも当然でしょう。こうなってくると、打ち合わせの雰囲気もだんだんと険悪なものになり、良い結果を残しにくくなっていきます。
こうならないためにも、あらかじめ布石を打っていくことが重要なんですね。そしてこのリスクは、発注会社側の自立的なひと工夫によって、回避していくことができます。
「意識の共有化」をもたらす2つの方法。
ポイントとなるのは「意識の共有化」です。あらかじめ目線を揃えることで意識の誤差を少なくしていくわけです。発注前にできる意識の共有方法は、概ね2つ。「RFP(提案依頼書)をつくる」と「オリエンテーションをきちんと行う」の2つです。
・RFPをつくる
RFPとは提案依頼書のことで、「業務依頼の背景、対象商品やサービスの強み、競合情報、ターゲットユーザー」といった製品やサービス周辺の情報から、「成果物、仕様、納期、予算」といった納品物にまつわる情報を整理したドキュメントを指します。最近は、これらを作成した上で相談を持ちかける企業さんが増えてきました。何をどうしたいのか、ゴールは何か?RFPは、発注者自身が意識できていない箇所のあぶり出しにも役立ちます。何より、事前に情報を整理すればするほど、デザイン会社からの提案を選べるようになりやすいため、大雑把でも作っておくと安心です。詳細は、デザイン会社とディスカッションしながら詰めていくこともできますよ。
・オリエンテーションをきちんと行う
もうひとつが、オリエンテーションです。オリエンテーションは「RFPの説明の場」として解釈する方が多いのですが、個人的には、それでは少しもったいないな、と思います。デザイン会社はデザインのプロではありますが、発注会社の業務におけるプロ、ではありません。だからこそ、オリエンテーションを「制作者に、自分たちの思いに共感してもらう場」と捉え、プロジェクトの意義やそれに懸ける思いなど、熱意を伝えていくと良いでしょう。時間が足りなければ、業務を進める中で、関係づくりをしていく。制作者を味方につけていく。このような意識を持てると、プロジェクトはよりスムーズに進みやすくなっていきます。
「仲間意識」を持てるとうまくいきやすい。
いかがでしたでしょうか。基本的なことではありますが、こういったプロセスを踏むことで、デザイン会社のスタッフは、課題を自分ごと化しやすくなり、より前のめりな姿勢でプロジェクトに参加できるようになります。そのためには、デザイン会社のメンバーを「プロジェクトを一緒に進めていく仲間」として承認していく視点が大切です。この視点さえ持てれば、どのようなデザイン会社とも自信を持って協業できるようになるのではないでしょうか。そして、わたしたち、たきコーポレーション たき工房は「クライアント企業さまから信頼される仲間」という意識でプロジェクトに向き合っています。解決されないデザインやブランディング課題をお持ちの企業さま、ぜひ当社をご検討くださいね。お待ちしています。
※2023年3月1日より、社名を「株式会社たき工房」から「株式会社たきコーポレーション」に変更いたしました。
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