shadow

Installation, Media Art, AI, TouchDesigner

「Shadow」は、刹那的に消費される実体のない「検索トレンド」を擬人化し、弔う作品である

人々は常に何かしら情報を求め「探索」や「共有」行為を繰り返してきた。
その繰り返しの行為の中で、「検索ワード」は大きな「検索トレンド」へと成長する。
その膨れ上がった巨大なトレンドは一時的に人々の知的好奇心を満たすが、関心はすぐに次のトレンドへと移る。
これまで数多くのトレンドが生まれ、そして忘れられてきた。

日本には「言霊」という考えがある。
声に出した言葉が身体的・精神的に影響を与えることがあり、言葉にも魂が入っているのではないかと考えられている。
忘れ去られてしまったトレンドにも魂が入っていたのではないだろうか。

また日本では、亡くなった人の写真を飾り、その人に思いを馳せるという文化がある。
その写真のことを遺影と呼ぶ。

「Shadow」は、検索トレンドを擬人化した遺影とトレンドの声から成る。
遺影は検索トレンドの画像からGANを通して生成され、 遺影の声はトレンドワードを含むツイート群を学習したモデルから生成されている。
トレンドの声に耳を傾けながら、消え去った検索トレンドに思いを馳せてほしい。

2000年は4億人だったインターネットユーザーが2019年には44億人に増え、 Google検索の回数は1年あたり10億回から2兆回に増えている。
技術の発展によりあらゆる情報が手に入るようになり、世界中の人と共有することができるようになった。
しかし、それに伴いより多くのトレンドが消費されてきた。
今この瞬間も、大量の「検索トレンド」が人々の知的好奇心を満たしては消え、インターネット上を彷徨っている。

CREDIT Technical Director, Developer : 高城真生
Developer : 石丸晋如 / 細井砂太朗
Art Director, Editor : 藤井賢二
Producer : 金田学
Photographer : 青木守 (NIPPON COMMERCIAL PHOTO)
Music : "Ambient Piano:1" by _fuux / yuki.i

The AI algorithm for this work uses CycleGAN and LSTM.
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