ノートにアイデアを描くデザイナー

アイデアの出し方

デザイナーはクライアントの課題を解決することが仕事ですが、ご相談されるクライアントの業種も違えば、既存のお客さまだとしてもご依頼が前回と同じ内容ということはありません。常に解決しなければならない課題は違いますし、ひとつの案件が途中で方向が変わることも十分にありえます。

そのため、デザイナーはコピーライターやプランナーと連携して、常に新しいアイデアを提案していかなければなりません。アイデアのストックはデザイナーの経験に応じて増大していきます。ですが、ボツになった過去のアイデアをそのまま別の仕事に応用はできません。仕事の内容が違うことはもちろんですが、デザイナーは今までとは違う新しいことを考えることが使命なのです。

ここでは、アイデアの出し方について、いくつかの大切なポイントをご説明します。

必ずいいアイデアを出せると信じる。

「できる人」とは「できると考えてやっている人」にほかなりません。「どうせいいアイデアは出ない」と考えると思考が低下します。「必ずいいアイデアを出そう」と自分で思うことは、アンテナを他者とは違う立て方をしたり、さまざまなアイデアの出し方を考えることにも繋がります。デザイナーにはポジティブな姿勢が何よりも必要なのです。

アイデアを考える自分の環境を整える。

アイデアを考える環境を自分なりにカスタマイズすることが必要です。どんな多くのアンテナを立てるのか。どんな情報に触れるのか。時間の使い方をどうするのか。相談できたり自分をアップデートしてくれる社内外のブレーンをどうつくっていくのか。さらにはどのように知識や人生経験を増やすかなど、植物を育てるために水や光、堆肥が必要なように、自分がアイデアを考えやすくするための環境は自分でつくり出すことが大切です。

商品を自分のイメージで捉えない。

自分で使用している商品の広告のみを制作しているデザイナーはほとんどいません。そのため、デザイナーは、明日どのような業種のクライアントから仕事をいただくかわかりません。男性デザイナーに化粧品の仕事がくるかもしれませんし、免許がないのに車の仕事が来ることもあり得ます。その際大切なのは、決して商品を自分の想像だけで捉えてはいけない、ということ。その商品を研究して、できれば経験してみることが大切です。その商品の開発背景、市場動向、競合商品との比較、商品や企業の社会的意義など、いきなりアイデアを考えるのではなく、研究し尽くすことから始めましょう。このことで商品をより根底から考えることになり、さらには考え方が複眼的になります。これはデザイナーの成長にとって、とても重要なことです。

自分のアイデア・意見を出すことを恐れない。

アイデアを考える時に必要だと思うことのひとつに、「視点を変える」ことがあります。これは人が見ている視点と違う視点で考えてみるということです。どんなアンテナを立てるのか、と環境づくりの項目で書きましたが、アンテナを人とは違う立て方をすることにより、他者とは異なる視点を得ることができます。大切なのは、自信のないアイデアでも人の目線や意見、批評を恐れずに出していくことです。どんなアイデアでも何がキッカケで変化するかわかりません。そのままでは使えなくても、アイデアとアイデアを結びつけたり、何かに置き換えたり、何かを省いたりすることで、新しい発想は生まれます。そしてアイデアは数多く出しましょう。自分が日頃どれだけ多くのアンテナを立てているか、どれだけ多くコミュニケーションをしているか、その結果はこの時に現れます。

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