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TAKI Magazineー 制作における『知』を紐解く ー

投稿日:2023.07.18 更新日:2024.11.01

ブランドアーキテクチャーの最適化とは。|ブランディング探訪シリーズ (3)

前回のシリーズ Vol.2では、ブランディングの基本要素と意義、方法などをご紹介しましたが、これはシリーズの中核となる内容でした。今回は、複数のブランドを展開する場合に必要な「ブランドアーキテクチャー」および既存のブランドを、時代や市場の変化などに合わせて構築し直す「リブランディング」についてご紹介します。

ブランドアーキテクチャーの最適化とは

(ブランドの序列を整理し、価値が高まるように各ブランドを管理する戦略)

複数のブランドを持つ企業の場合、それぞれのブランドの役割が曖昧になってしまうことがあります。そのような事態を防ぐための有効な考え方が、ブランドアーキテクチャーです。

ブランドアーキテクチャーとは、自社が持つ複数のブランドの階層や関係性を整理し、それぞれの役割や価値を明確に定義することを指します。ブランドアーキテクチャーを最適化することにより、自社ブランド間のカニバリゼーション(売上の奪い合い)を防ぎ、シナジー効果を最大限に発揮できるようになります。

ブランドアーキテクチャーを最適化する際には、市場環境や競合状況、自社のビジネスモデルなどを踏まえたブランド戦略を立てることが不可欠です。ブランド戦略には主に以下の種類があり、自社に適した戦略を選択し、それに基づいたブランド間の関係性や役割を定義します。

・単一ブランド戦略
・マルチブランド戦略
・エンドースメントブランド戦略
・サブブランド戦略

それでは、それぞれの戦略の概要やメリットとデメリットについて解説していきます。

〈単一ブランド戦略〉
単一ブランド戦略は、コーポレートブランドなど一つのブランド名で複数の商品やサービスを展開する戦略です。

〇メリット
マーケティング資源を集中投下することにより、ブランド名の認知度や信頼性を向上させ、マーケティングコストを抑制できます。

〇デメリット
ブランドイメージが固定化されるリスクが挙げられます。新しい市場や新規ターゲットの開拓が比較的難しく、ブランドに何らかの問題が発生した際に、全体へ影響が波及するおそれがあります。

〈マルチブランド戦略〉
マルチブランド戦略は、複数のブランド名で商品やサービスを展開する戦略です。例えば、同じ洗濯用洗剤カテゴリーの商品であってもターゲットや用途、性能、高級感などによってブランド名を変更するイメージで行います。

〇メリット
市場シェア率などが変動した場合にも柔軟に対応しやすく、競合他社のシェア拡大や新規参入の抑制に期待できます。また、一つのブランドに問題が発生した場合でも他ブランドへの影響が波及しづらく、リスクを分散させるができます。

〇デメリット
マーケティング資源を分散投資する必要があるため非効率であること、自社内でカニバリゼーションを招くおそれがある点が挙げられます。

〈エンドースメントブランド戦略〉
複数のブランド名に、親ブランド(エンドーサー)のブランド名を冠する戦略です。ホテルなどでよく採用される戦略で、親ブランドは子ブランドに対して保証や推奨、付加価値の付与などといった役割を果たします。

〇メリット
親ブランドの認知度や信頼性を活用し、新たな市場に参入できる点です。また、親ブランドの価値をさらに高める相乗効果も期待できます。

〇デメリット
親ブランドに何らかの問題が発生した際に、子ブランドにも影響が波及するため、親ブランドのイメージに縛られやすい傾向があります。

〈サブブランド戦略〉
親ブランド(マスターブランド)と子ブランド(サブブランド)の名前を組み合わせる戦略です。例えばコーヒー飲料の場合、「●●ブラック」「●●微糖」「プレミアム●●」といった商品展開をするイメージです。

〇メリット
ブランド名を組み合わせることで統一感や連帯感を醸成し、親ブランドの保障(高品質、安全性など)や特長(低カロリー、高級感など)といった価値を子ブランドにも与えられます。また、子ブランドから親ブランドへも顧客が流入するなど、親子間でのシナジー効果も発揮できます。

〇デメリット
ブランド体系が複雑になり、管理が難しくなる傾向があります。また、品質や価格、イメージといったブランドの一貫性が保てなくなるおそれもあります。

なお、親ブランドと子ブランドの関係性は以下が目安となります。
・親ブランドは子ブランドより認知度や信頼度が高い
・親ブランドは子ブランドより歴史が長く実績が多い
・親ブランドは子ブランドより幅広いカテゴリーや市場に展開が多い
・親ブランドは子ブランドに保証や推奨の役割を果たしていることが多い

補足として「ファミリーブランド」についても触れておきましょう。

ファミリーブランドとは、複数の商品・サービスカテゴリーをまたがった、包括的なブランドとして認知されているものを指します。ファミリーブランドはカテゴリーによって、単一ブランド戦略にもマルチブランド戦略にもなります。企業が市場で競争力を持つために確立したブランドアーキテクチャーのブランド戦略としては、これまで解説した4つの戦略がより明確に表現できると思います。

また、ブランドアーキテクチャーを最適化するにあたり重要となるのが「ブランドポートフォリオ」です。その概要について、詳しく見ていきましょう。

〈ブランドポートフォリオ〉
ブランドポートフォリオとは、自社が持つすべてのブランドをリスト化したものです。ブランドポートフォリオで、それぞれのブランドの市場シェアや売上高、成長率、利益率などを分析することで、資源配分や投資優先度、新ブランド開発にブランド廃止などの判断に役立ちます。つまり、ブランドポートフォリオはブランドアーキテクチャーを策定するうえで重要なデータとなるのです。ブランドポートフォリオを管理することで、以下のようなことを実現できます。

・ブランドの現状と課題の把握
・ブランドの価値や貢献度の評価
・ブランドの資源配分と投資先優先度の可視化
・ブランドの新規開発と廃止の検討

ブランドポートフォリオには以下の種類があります。
・モノリシック型:一つのブランド名ですべての製品やサービスを提供する型
・エンドース型:一つの親ブランドが子ブランドを支える型
・プライベートレーベル型:自社ブランドで製品やサービスを提供する型
・ハウスオブブランズ型:複数の独立したブランドを持つ型

モノリシック型の代表的な企業が【サントリー】です。サントリーの場合、企業名である親ブランドがビールやウイスキー、天然水など全ての商品に対して責任を持ちます。

ハウスオブブランズ型の代表的な企業が【P&G】です。P&Gの場合、アリエール、ジレット、パンパースなど、複数の独立した子ブランドがそれぞれの製品に対して責任を持ちます。

ブランディング成功の鍵は分析と再構築にあり!

ここからは「リブランディング」という、商品やサービス、企業といった既存のブランディングを時代や市場の変化に合わせて構築し直し、発展させるための概念について紹介します。

〈リブランディング〉
リブランディングとは、企業やブランドの価値を再定義し、新たな価値を創造することがリブランディングです。社名やロゴ、スローガンなどのビジュアルアイデンティティを変更したり、経営理念や商品・サービスのコンテンツを変更したりするなどのリブランディングを行います。例えば、リブランディングとしてロゴを新しく変更する場合に以下のような変更の目的が挙げられます。

  • ロゴ変更の目的

【機能的な問題の解決と効果の最大化】
・読みやすく、分かりやすく、誤解がないといった視認性を改善する。
・言語や文化の違いを考慮し、市場や顧客のニーズに対応可能にする。

【時代に反応しデジタルに対応】
・時代感やトレンドを意識した現代的なデザインに更新する。
・デジタルメディアでも最適に表現ができるようにする。

【新たな企業の決意や方向性の伝達】
・企業合併、社名変更、組織改編などの大きな変化を伝える。
・経営陣交代や事業の転換でコーポレート・ガバナンス機能有効を示唆する。
・グルーバル化への対応や展開のアピールを行う。

【ブランディングを強化】
・ブランドアイデンティティやビジュアルアイデンティティを具現化し、ブランドの本質を表現し価値を高まるようにする。

ロゴは長期間使用されることが多く、顧客との重要な接点になるため、企業やブランドの本質を正しく伝えることが望ましく、そのうえで感性(独創性)、機能性(視認性・耐久性・汎用性)が求められます。それには、リブランディングのメリットとデメリットをしっかり押さえておくことが大切です。

〇リブランディングのメリット
市場や顧客の変化に対応することで、ビジネスの成長や拡大を促進できる効果があります。また、競合他社との差別化や優位性を高め、既存顧客のロイヤルティ(Loyalty)と新規顧客の認知度向上にも期待を持てます。また、従来のビジネスモデルが適応しなくなった際にも有効です。

〇リブランディングのデメリット
リブランディングの目的や方向性が不明確、ターゲットが不明確、顧客のニーズを把握できていないなど、それらを踏まえていないと効果が得られず既存顧客が混乱し、ファンが離れたりするおそれがあります。

それに、愛されている商品やサービスをリブランディングの変化によって、これを好まないファンが離れる場合もありますのでタイミングの見極めはとても重要です。また、リブランディングの管理コストや予算がかかるといった懸念もあります。

自社ブランドの価値を高め、市場における優位性を確保し続けるためにも、ブランディングは長期的な視点で行う必要があります。時間はかかりますがその分会社の成長と大きな効果が期待できるのがブランディングです。ブランディングにおいて重要なことや現状の動向などについては、以下のコラムもご覧ください。

ブランディング探索シリーズ第3回では、複数のブランドを展開する場合に必要な「ブランドアーキテクチャー」と「リブランディング」について詳しくお話ししました。次回は、ブランディング戦略における長期的な視点およびブランディングの進化と動向についてお話しします。

※そのほかブランディングに役立つ、以下の記事も一緒にご覧ください。

 

・ブランディング探訪シリーズ  第1回ブランディングの必要性とは
(ビジネスに欠かせない要素)

・ブランディング探訪シリーズ  第2回ブランディングとは
(ブランディングの基本要素とその意義)

・ブランディング探訪シリーズ  第4回ブランディング戦略の長期的な視点
(成長につながるブランドの築き方)

ブランディング探索シリーズ  第5回パーパスブランディングについて
 (本質的な存在価値を追求するブランド戦略のメソッド)

 

 

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